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なぜ教科書通りのコンサルに意味がないのか

「有名ファームに頼んで、立派な戦略資料とKPI設計は作った。
でも、現場は何も変わっていない。」

営業の現場で、こんな話は珍しくありません。
なぜ、あれほど “綺麗に整理された” コンサルの提案が、売上という現実の数字に結びつかないのでしょうか。

現場を歩いたことのない人は、「売れる数字」を描けない

多くのコンサルタントは優秀です。
ロジカルに市場を分析し、きれいなフレームワークで戦略を整理することに長けています。

しかし、彼らの多くは 「自分で案件を創出し、最後までクロージングした経験がない」 まま、営業組織の設計やKPIを語ります。

その結果、こんなズレが生まれます。

  • 逆算だけで組まれたKPI
    「年間◯億の売上 → 必要商談数は◯件 → 架電件数は◯件」
    一見ロジカルですが、その数字で本当に1本でも案件が生まれたのか という検証が抜け落ちています。
  • 「誰が、いつ、何をするか」が分からないプロセス設計
    フロー図は整っているのに、現場メンバーからすると
    「で、明日から私は何を変えればいいんですか?」という疑問に答えられない。
  • 顧客の感情や社内調整のリアルが無視される
    決裁プロセスや社内政治、稟議のクセ…。
    数字とフローだけでは動かない要素 を知らないまま、机上の“理想プロセス”が描かれてしまいます。

「キレイな絵姿」は、売上に一円も貢献しない

コンサルが得意なのは、未来の “絵姿” です。
「3年後にこういう営業組織になりましょう」「このようなファネルを実現しましょう」といったビジョンを描くこと自体は、大いに価値があります。

ただし、それは 「そこへ向かう道筋」まで具体的になって初めて意味を持ちます

  • 今いるメンバーのスキルと人数で、どこまで現実的に到達できるのか
  • 既存のリード源・顧客基盤から、どんなペースで案件を積み上げられるのか
  • 途中で必ず発生する “グダグダ”(離脱・反発・例外対応)をどう吸収するのか

これらを描けない「きれいな絵姿」は、
オフィスの棚に眠るパワポファイル以上の価値はありません

売れるKPI・プロセス・マテリアルの共通点

逆に、現場で本当に機能する仕組みには共通点があります。

  1. 「1件の案件」から逆算している
    机上の逆算ではなく、
    「実際にクローズした案件」で使われたタッチポイントや会話の流れから、
    KPIやプロセスを抽出している。
  2. 行動レベルまで落ちている
    「商談数◯件」ではなく、
    「初回商談の20分で、必ずこの3つの質問をする」といった行動の単位まで設計されている。
  3. マテリアルが“現場語”で作られている
    上層部向けのプレゼン資料ではなく、
    「このスライドを見せながら、こういう言い方で話す」といった、
    実戦に耐えるトーク・スクリプトや提案書テンプレートがある。
  4. 仮説→実行→学習のループが組み込まれている
    一度作って終わり、ではなく、
    「毎月、◯件分の商談ログをもとに改善する」といった仕組みになっている。

これは、「現場の汗」なしには設計できません。
だからこそ、実際に案件を生み、クロージングしてきた視点が決定的に重要になります。

「教科書通り」でないコンサルと、どう付き合うか

教科書通りのフレームワークやベストプラクティス自体を、否定する必要はありません。
問題は、それを そのまま当てはめて終わりにしてしまうこと です。

これからの営業組織に必要なのは、

  • フレームワークを“正解”として受け取るのではなく、
    自社の現場に合わせて翻訳・編集してくれるパートナー
  • 「資料を納品して終わり」ではなく、
    実際に案件が生まれて、クローズするところまで伴走してくれる存在

Lucerna は、「知らないが理由で不利益を被る企業をなくす」というミッションのもと、
きれいな資料よりも、現場で本当に機能する仕組みづくりにこだわっています。

コンサルティングやツール導入の前に、
「その提案は、本当に1件でも案件を生み、クローズするところまでイメージできるか?」
という問いを、ぜひ一度投げかけてみてください。